先に結論。
角を立てずに断るコツは、「感謝(誘いへのお礼)→事情(事実)→結論(今回は見送り)→代替案(別日・別形態)→フォロー(気持ち・協力)」の順に、I(アイ)メッセージやアサーティブ・コミュニケーションでシンプルに伝えることです。Iメッセージは「私は〜と感じる/〜だと助かる」と自分を主語にする言い方で、相手を責めにくく、対話を続けやすくします。
仕事・金銭・体調・学業・介護/育児・メンタル休息・義実家/親族などの理由別テンプレ、対面/電話/LINEの言い方、断った後のフォロー、キャンセル料の確認ポイントまで、誰でも使える形でまとめます。判断がむずかしい場面は、公的・民間の相談窓口も最後に案内します。
更新日:2025-11-06
円満に断る基本:Iメッセージ・アサーティブ・NVCの使い分け
Iメッセージは、課題の所有を自分側に置いて伝える技法。「あなたが…だから行かない」ではなく「私は今は休みが取れない/体調を整えたい」と言うことで、非難や決めつけを減らせるとされます。
アサーティブ・コミュニケーションは、自分の気持ちや必要を率直に伝えつつ、相手への敬意も忘れないスタイルです。攻撃的でも、過度に我慢するのでもない「ちょうどよい表現」を意識します。
NVC(非暴力コミュニケーション)は、①観察(評価を外して事実を述べる)→②感情→③ニーズ→④リクエストの4ステップ。
例:「(①)年末は仕事の引き継ぎが重なっていて、(②)焦りを感じて、(③)休息と準備の時間が必要です。(④)今回は見送りたいのですが、1月の三連休に日帰りで集まれますか?」
基本の型(コピペ可)
「誘ってくれてありがとう。私は今は◯◯の事情があって、今回は見送りたいです。代わりに△月△日に日帰りで集まる/食事だけはどうでしょう?また相談させてください。」
連絡手段別の断り方:対面/電話/LINE・メール
手段により、相手の受け取り方や情報量が変わります。下の表を参考に、相手との距離感と緊急度で選びましょう(家族旅行 断り方 例文はこの後で詳しく掲載)。
| 手段 | メリット | 注意点 | 一言テンプレ |
|---|---|---|---|
| 対面 | 表情や声で配慮が伝わりやすい | 感情的になりやすい時は場所・時間を選ぶ | 「ありがとう。私は今回は難しい。別日に短時間でどうかな?」 |
| 電話 | 誤解が出たらすぐ補足できる | 言い忘れ防止に要点メモを用意 | 「誘いに感謝。事情で見送り。別案を提案したい」 |
| LINE・メール | 短く整理して伝えられる/記録が残る | 長文・説得調は避ける/返信催促は控えめに | 「誘いに感謝。家計/体調/仕事の都合で今回は不参加。近場の集まりなら行けます」 |
(例文の前提:謝意→事情→結論→代替案の順で、Iメッセージを混ぜる)
理由別テンプレ:仕事・金銭・体調・学業・介護/育児・メンタル休息・義実家/親族
仕事(繁忙期・シフト・引き継ぎ)
「誘ってくれてありがとう。私は今は繁忙期で休みが取りにくいです。今回は見送りますが、来月の三連休に日帰りで集まれたら嬉しいです。」(Iメッセージ+代替案)
金銭(家計・費用・キャンセル料)
「誘いに感謝します。家計の都合で今回は参加が難しいです。近場の半日プランなら調整しやすいです。」
※予約後なら、キャンセル規定(取消料や期限)は事業者や約款で異なるため、申込先の約款・契約書で必ず確認しましょう。旅行業界では標準旅行業約款や個別認可約款など、商品により規定が違います。
体調・通院(詳細は言わなくてOK)
「体調を整えたいので今回は見送ります。落ち着いたら、近場で食事をご一緒させてください。」
学業・受験・部活・資格試験
「試験前で集中したい時期です。今回は不参加にします。試験後に日帰りで会えたら嬉しいです。」
介護・育児(送迎・夜間対応・通院)
「この時間帯は介護/育児の対応が必要で、長時間の外出が難しいです。短時間の集まりなら参加できます。」
メンタル休息(燃え尽き・過敏気味のとき)
「少し休む時間が必要です。今回は見送ります。落ち着いたら改めて相談させてください。」
悩みが深い時は、公的・民間の相談窓口も活用を。よりそいホットライン(0120-279-338/24時間)や各種案内があります。
義実家・親族(行事に配慮しつつ断る)
「お誘いに感謝しています。私は◯◯の事情があり、長期の旅行は難しいです。当日の食事だけや短時間の参加にできると助かります。」(主語は自分/代替案を具体化)
相手別の伝え方と、断った後のフォロー
親・義両親
- 最初に感謝:「楽しみに考えてくれて、ありがとう」。
- 事情は事実ベース:「私は今、◯◯の都合で長距離は難しい」。
- 代替案:「日帰りや近場なら参加しやすい」。
きょうだい
- 条件のすり合わせ:予算・役割(予約・運転・お土産)・集合/解散時間を明確化。
配偶者・子
- 合意形成:配偶者には本音と不安、子どもには年齢に合わせた言い換えで説明。
断った後のフォロー(信頼を保つ小さな行動)
- 別日の提案(例:来月の三連休に近場で集まる)。
- 一部協力(空港/駅までの送迎、買い出し、写真の共有など)。
- 気持ちの共有(「今回は見送るけれど、みんなで楽しんでほしい」)。
トラブル回避:キャンセル規定・早めの連絡・情報の一貫性
キャンセル料(取消料)は商品ごとに違うのが基本です。旅行商品には、標準旅行業約款のほか、航空運賃やクルーズ等に合わせた個別認可約款があり、適用条件や取消料の設定が異なる場合があります。
申し込み先の約款・契約書・案内メールを読み、期限・料率・手続きを必ず確認しましょう。迷ったら、申込先に直接問い合わせるのが確実です。
契約をやめる時は、いつ・誰に・どの手段で伝えたかを記録(スクリーンショットや送信履歴)。券類の取扱いや返却など、契約上の注意点が定められていることもあります。
グループLINEでは、同じ説明を簡潔に共有し、憶測や誰かの評価は書かないのが安全です。
強い同調圧力やハラスメントを感じたら:相談先
- DV相談ナビ #8008(最寄りの配偶者暴力相談支援センターにつながる全国共通窓口)※通話料・受付時間の注意あり。
- よりそいホットライン 0120-279-338(24時間・多言語案内の情報あり)
- 内閣府「DV相談プラス」(電話・メール・チャット)
- 政府広報オンライン(DVに関する基礎情報と相談案内)
よくある質問(FAQ)
Q1. 毎回断っても大丈夫?
A. 無理をしない選択も大切です。Iメッセージで事実と気持ちを丁寧に伝え、代替案や一部参加の提案を続けると関係を保ちやすくなります。
Q2. 子どもだけ参加させても良い?
A. 安全・移動・費用・責任の所在を大人同士で事前に合意し、送迎や連絡手段を決めてからにしましょう。
Q3. 直前に体調不良でキャンセル。どうする?
A. まず幹事や申込先へ即連絡し、取消料や手続きを確認。可能なら宿泊や移動の調整に協力を。
そのまま使える短文テンプレ(コピペOK)
- 「誘ってくれてありがとう。私は今は仕事が重なって休めません。今回は見送ります。来月の三連休に日帰りで集まれたら嬉しいです。」
- 「誘いに感謝します。家計の都合で今は難しいです。近場で半日なら参加しやすいです。」
- 「体調を整えたいので今回は不参加にします。落ち着いたら別日に相談させてください。」
- 「義実家の行事は理解しています。ただ、私は長距離が難しいです。当日の食事だけ参加するのは可能です。」

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